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`04年8月28日、第8回日本尊厳死協会東北支部大会が、郡山市のビューホテル・アネックスで開催されました。

「尊厳ある生と死を求めて」が基本コンセプトで、日本尊厳死協会理事長井形昭弘先生の基調講演と、「それぞれの立場からの発言」と題したシンポジウムが行われました。


鈴木静枝理事
今野支部長
井形理事長
総合司会の鈴木理事
開会挨拶をされる
今野支部長
基調講演をされる
井形理事長

井形先生は元鹿児島大学学長で、現在は名古屋学芸大学学長として活躍されておられます。

脳死臨調に関わってこられたご経験から、脳死と尊厳死の関連や、これまでにマスコミに取り上げられた安楽死(殺)、あるいは延命治療などについてお話され、大変興味深くお聞きしました。
「安らかに生きて、安らかに死ぬ」ことが、尊厳死の本質であると言うお話には、大変感銘を受けました。
また、尊厳死の立法化の問題にも触れられ、医師が尊厳死の宣言書を尊重するためには、法律で保護されることが不可欠であることを強調されました。
当日会場でも、立法化についての嘆願書への署名をお願いし、多数の方々が署名して下さいました。

聴衆
シンポジウムー1
予想を上回る参加者となり、椅子を追加するほどでした。 シンポジウムが始まりました。コーディネーターは、今泉理事です。
シンポジウムー2
シンポジウムー3
内容の濃い発言が多く、時間が足りなくなってしまいました。 井形理事長も、尊厳死協会の立場から、シンポジウムに参加されました。

シンポジストは6名で、先ず前福島医大学長の元木良一先生が「初めに」と題して、Living Will に関する基本的なことを話されました。
その中で、外科医としての経験から、医師(特に外科医)は瀕死の患者さんを目の前にすると、人工呼吸などの延命治療を始めるように教育されているので、元気な内に家族ともよく話し合って、無駄な延命治療はしないで欲しいと言う意志を明確にしておくことの必要性を強調されました。

2人目の発言者は、"がんを考える「ひいらぎの会」"代表世話人の小形武さんです。
小形さんは14年前に胃癌の手術を受けられ、その経験を踏まえて10年前に「ひいらぎの会」を結成されました。 現在は400人を越す会員を擁し、定例会やキャンプ、富士登山など「がん患者に生きがいを」をモットーに活動されています。 患者の立場から、インフォームド・コンセントが充分でないこと、チーム医療の必要性、セカンド・オピニオンを求めやすくして欲しいなど、医者にとっては耳の痛い意見を述べられました。

3番目は、ご両親をご自宅で看取られた矢内真知子さんです。 矢内さんは、ご両親の死に立ち会うことで生きていくことの大変さを知ったと話されました。 また、病気になった時には誰かの手助けが必要であり、家族の介護が最高であるとは限らないとも言われました。 実際にご家族を看取られた人でなければ分からないことであり、心に染みるお話でした。

次は、老人保健施設「四季庵」副施設長の佐久間ヤスヨさんです。 佐久間さんは福島県立医大の看護婦長を経て現在のお仕事に就いておられ、看護師としての経験と現在のお仕事を踏まえて、高齢者に対して医療者の都合で行われていることが多く、暖かく接すれば、たとえ痴呆があったとしても、充分に意志の疎通を図ることが出来ることを強調されました。

5番目に、私が(ホスピスの)医師の立場から発言しました。 ホスピスから在宅ケアに移行された2人の患者さんを紹介し、本当のことをお話しすることを含めたインフォームド・コンセントの重要性をお話しました。更に、インフォームド・チョイス(セカンド・オピニオンを含めた患者さん自身の選択)にまで進める必要があることをお話しました。

最後に、井形先生がこれまでの発言を踏まえて、Living Will 運動のこれからの活動方針などを述べられました。

シンポジストの発言でかなり時間をオーバーしてしまって、その後の討論は行われませんでしたが、フロアーからは「意識がないまま2ヵ月以上も延命治療が続けられているが、止めることは出来ないか」、「モルヒネの副作用について」、「セカンド・オピニオンを求めるにはどうすればよいか」など、貴重な質問が寄せられました。 それぞれの質問にシンポジストから回答して長時間に亘ったシンポジウムを終了しましたが、最後まで席を立つ人がおられなかったことに感動しました。

今回のシンポジウムを通して、一般の方々が死について大きな関心を持っていることを実感することが出来ました。 又、情報の開示を進めるだけではなく、それを基に患者さん自身が方針を選択できるようにしていくことが、今、医師に求められていることを痛感しました。

こういう機会を与えて下さった日本尊厳死協会東北支部、そして、大会を支えて下さった郡山文化協会の方々を初めとするボランティアの皆さんに、深謝致します。