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ホスピスケア患者数 平成2年にホスピスが開設されてから平成16年3月までに入院された方は、888人です。この人数は、何回入退院を繰り返しても最初に入院された時に一人として数えた実人数で、その後の入院は加算されていません。実際に2回目の入院をした人は142人、3回目の入院をした人は49人で、最も多い人は15回も入院を繰り返し、延べ人数では、1138人になります。
 グラフで分かるように、ここ数年は、80~100人弱の新規入院となっています。
 ホスピス開設以来の14年間でホスピスで亡くなられた方は、802人でした。
 在宅ケアを受けた方は、正式に訪問看護を始めた平成元年から、実人数で218人でした。
 平成14、15年度は、新しく在宅ケアに移行された方は、それ以前と比べて減少しました。これは、高齢者が多くなったことと、遠方から入院された方が多かったことが関連しています。
 218人の内、在宅で亡くなられたのは、ほぼ四分の一の54人でした。

入院患者の年齢
入院患者の基礎疾患

 ホスピスに入院された方の年齢は、60〜70歳代が多く、平均は65.4歳です。この傾向は、在宅ホスピスでもほとんど変わりません。また、最近では80歳以上の超高齢者が増える傾向にあります。
 基礎疾患別にみると、右のグラフのように、男性では胃がんと肺がんが圧倒的に多く、女性では、各種のがんに均等に分布しています。これは、全国の各種がんによる死亡者数とほぼ同じです。
 その他の悪性腫瘍では、前立腺がん、甲状腺がん、卵巣がん、悪性リンパ腫などが多くみられました。

 ホスピスへの入院期間は平均42.8日(男性:39.7日、女性:46.4日)で、在宅ホスピスの平均在宅日数は90.9日(男性:59.3日、女性:125.0日)でした。
女性の平均在宅日数が長いのは、子宮がんで長く在宅で過ごされている方が数名おられるためです。

入棟者告知率 ホスピスに入院された方の内で、自分の病気について知っていたのは、全体で79.6%、それとなく知っていた人は6.4%で、まったく知らなかった人は14%でした。
 しかしながら、年度別に見ると、左のグラフのように年を追って知っていた人が増えています。ここ数年は「それとなく知っていた人」を含めると90%を越えていたのですが、平成15年度は、わずかながら「知らなかった人」が増えました(10.2%)。これは、他の施設から全く何も知らされないままに転院してきた人や、80歳を過ぎた高齢者が多かったことが影響しています。

病院全体の告知率 病院全体でも、右のグラフのように年々自分の病気について知っている人が増えています。
 このように本当のことをお話しするケースが増えたのは、ホスピスができたことがきっかけとなって、自分の病気を良く知った上で治療を受けることの大切さが、医療を提供する側にも浸透してきたことや、新薬の臨床治験(新しい薬を開発するための試験)の際に、病気を良く理解した上で、患者さん自身に治験に参加するかどうかを選択してもらうこと(インフォームド・チョイス)が必要であることなどが関連していると言えるでしょう。

導入経路 どこからホスピスに入院したかをみると、ホスピスに入院する前は一般病棟にいた人が最も多く、約6割を占めています。
 外来通院中に辛い症状が出て入院された方が10%、在宅ホスピスから再び入院された方が8.3%でした。
 他の施設からの紹介で入院された方は22.2%で、年々増える傾向にあります。それだけ、ホスピス・ケアの重要性が一般の方々や他の施設の医療関係者に理解されてきたことの現れと考えています。
 在宅・ケアでは、47.7%の方がホスピスから、28.4%の方が一般病棟から移行しています。他の施設から直接在宅・ケアを受けるようになった方は5.5%でした。これは、ホスピス・ケアを理解してもらい、スタッフとのコミュニケーションを良くするために、数日間ホスピスに入院して頂くことを原則としているからです。

 現在、年間30万を越す人々が“がん”で亡くなっていることを考えると、日本では、まだまだホスピスのベッドの絶対数が足りません。
 しかしながら、現在の医療保険制度の中でホスピスを運営していくのは、大変むずかしい状況にあります。ホスピスのベッド数を増やしていくには、ホスピス・ケアへの理解を深めてもらうように努め、最期の時を安らかに過ごすにはホスピスが必要不可欠であることを訴え続けて、医療保険制度の改善を求めていくことが必要であると思います。