第3回(3月28日アップ・ロード)


2001年 宇宙の旅 (`68年製作)

 今回は別の映画を考えていたのですが、スタンリー・キューブリック監督が亡くなったので、急遽「2001年 宇宙の旅」に変更しました。


監督:スタンリー・キューブリック
脚本:アーサー・C・クラーク
撮影:ジョフリー・アンズワース
SFX:ダグラス・トランブル、ウオーリー・ヴィーヴァース、トム・ハワード
出演:キア・デューレイ、ゲアリー・ロックウッド、ウィリアム・シルベスター


あらすじ

 人類の祖先である猿人の前に、ある日黒い石碑(モノリス)が出現した。猿人たちが恐る恐るモノリスに触ると、彼らに知性が芽生える。彼らは武器を使うことを覚え、動物の骨を使って獲物を倒した。嬉しさのあまり骨を空に向かって投げ上げると…

 場面が変わって、ゆっくりと回転する宇宙船ディスカバリー号が出現する。

 西暦2001年、人類は月面に基地を建設していたが、その現場でもモノリスが発掘された。モノリスは地球上に存在する物質とは一致せず、どんな機械を使っても傷つけることさえできなかった。

ディスカバリー号  ところが、太陽の光が当たると、モノリスは巨大なエネルギーを放出した。それは、人類には理解できない信号であった。

 その信号を調査するため、ディスカバリー号は木星の軌道を目指して出発した。

 目標に接近するにつれ、ディスカバリー号をコントロールするコンピュータ「HAL-9000」が、不可解な行動をとるようになる。

 ボーマン船長(キア・デューレイ)は、HALをコントロールしようとするが、自意識を獲得したHALは、他の4人のクルーを殺し、ボーマンも船外に追放しようとする。

 やっと船内にもどったボーマンは、HALの機能をディスカバリーの航行のみに限定し、木星の軌道に近づく。そしてその軌道上に、月の基地で見つかったモノリスより更に巨大なモノリスを発見した。

 この発見を地球に報告しようとすると、ディスカバリー号は時空間を超えたエネルギーによって宇宙の進化の流れの中を暴走してしまう。

 たどり着いたところは真っ白な寝室の中で、年老いて死を迎えようとするボーマンは、巨大な胎児「スター・チャイルド」に変身し、地球を見下ろしているのだった。


SFXの原点

 日本で公開されたのは`68年(製作された年)で、こんちゃんは京橋のテアトル東京で観たのですが、シネラマ方式でした。

 シネラマの巨大な画面にヨハン・シュトラウスの「美しき青きドナウ」のメロディーに乗ってゆっくりと回転するディスカバリー号が映し出されたときは、本当に宇宙に浮かんでいるような感じでした。

 イラストはフランスで公開されたときのポスターですが、ディスカバリー号の内部を描いたものです。実際は(と言うのは変ですね。SFXなんですから…)もっと巨大な円筒状で、通路でジョギングをして筋力を保つ場面が出てきます。

 通路の左にある黒っぽい棺桶のようなものは、長期間航行するときにエネルギーを使わないように、クルーが冷凍睡眠する装置です。

 この後に「未知との遭遇」とか「スター・ウオーズ」とか、SFXを駆使したSF映画が作られますが、「2001年」が、現在のSFXの原点と言っても間違いはないでしょう。

 映画そのものの評価は、素晴らしいという人と、なんだかよく判らないという人がいるようで、興行的にも成功したとはいえなかったようですが、`70年代に再公開されてから、この映画の評価は高まってきたようです。

スター・チャイルド 確かに、ディスカバリーの、まばゆいばかりの光と色彩とイメージの中の[トリップ]が始まってからラストまでは何の説明もなく、宇宙空間に浮かぶ巨大な「スター・チャイルド」が映し出されて終わりとなるので、普通(と言うのは変ですが)の映画のように、これからどうなるのかは全く判りません。(アーサー・C・クラークの原作では、明快に説明されています。)

 けれども、モノリスが地球外の知的生命体からのメッセージを伝えるものであることが判れば、それでいいのだと思います。(と、判ったようなことを書いていますが、こんちゃんも最初に観たときは、狐につままれたような感じでしたよ(^_^;)

 後に「2010年 宇宙の旅」という続編が製作されました。こちらをみると、総ての謎が解明されるのですが、映画の出来がいまいちだったためか、ヒットしませんでした。

 スタンリー・キューブリックには異色の映画が多く、良く知られているものには「時計仕掛けのオレンジ」「博士の異常な愛情」「ロリータ」などがあります。(「フルメタル・ジャケット」もキューブリックでしたね。)

 「博士の異常な愛情」は、核戦争の恐怖をピーター・セラーズが一人三役で演じるコメディ・タッチに仕立てた異色作です。このような映画にも戦略空軍が全面的に協力するアメリカと言う国は、面白いですね。

 余談になりますが(みんな余談みたいなもんですが…)、SF小説の巨匠アーサー・C・クラークはスリランカに住んでいたのですが、子ども達を可愛がっていた(性的な意味で)と言う悪い噂があります。本当なんでしょうかね〜。


 ご感想などを、お聞かせください。(GUEST BOOKをご利用ください。)

 次回は…考え中です。

 追記:つい先日、ディスカバリー号のコンピュータの名前「HAL」と言うのは、「IBM」のアルファベットの一つ前の組み合わせだということを知りました。意味深ですね〜。(4月28日)