第5回(6月27日アップロード)


好きなジャンルの一つミュージカルから、
"巴里のアメリカ人"を選びました。


巴里のアメリカ人(製作:`51年、日本公開 `52年)

 アカデミー作品賞、オリジナル脚本賞、撮影賞、ミュージカル映画音楽賞、
 美術賞、コスチューム賞、
 (ジーン・ケリーが名誉賞、制作者アーサー・フリードが
  アーヴィング・タルバーグ賞を受賞)


 監督:ビンセント・ミネリ
 主演:ジーン・ケリー、レスリー・キャロン、ジョルジュ・グェタリー、
    オスカー・レヴァント、ニナ・フォッシュ、
 音楽:ジョージ・ガーシュイン、
 作詞:アイラ・ガーシュイン、
    ジョニー・グリーン、ソール・チャップリン、
 撮影:アルフレッド・ギルクス、ジョン・アルトン、
 美術:セドリック・ギボンズ、プレストン・エイムズ、


概 要

巴里のアメリカ人、ポスター ジェリー・モリガン(ジーン・ケリー)は、G.I.としてパリに進駐し、終戦後もそのままパリに残って絵の修行をしていた。

 友人のピアニスト、アダム・クック(オスカー・レヴァント)と一緒のアパートに暮らしているが、絵の方は思うように売れず、貧乏暮らし。

 そんなある日、アメリカの富豪ミロ・ロバーツ(ニナ・フォッシュ)の目に留まり、彼女にすっかり気に入られてしまう。

 ミロはジェリーに個展を開くように勧め、夕食に誘う。

 食事に行ったカフェで、ジェリーは香水店の売り子のリズ(レスリー・キャロン)に出会い、一目惚れしてしまう。

 しかし、フォーリー・ヴェルジェールの歌手アンリ・ボレル(ジョルジュ・グェタリー)もリズを愛していた。彼はレジスタンスの闘士だったリズの両親から彼女を預けられ、大切に育ててきたのだった。

 ある日ジェリーとアンリから好きな女性がいると聞かされたアダムは、二人の板挟みになってしまう。

 アンリから結婚を申し込まれたリズは、ジェリーが好きではあったものの、恩人の申し出を断れなかった。

 ジェリーとミロ、アンリとリズのカップルは美術学校のニューイヤー・パーテイに出かけた。そこでアンリは、リズがジェリーを愛していることを知り、またミロもジェリーの心を知って身を引き、ジェリーとリズは結ばれる。


ダンスも、音楽も、美術も最高!!
 ミュージカル映画でアカデミー作品賞を獲得した、数少ない中の一つです。

巴里のアメリカ人-2 長々と概要を書いてしまいましたが、ミュージカル映画に筋立てはあまり必要ありませんね。

 音楽はもちろんガーシュインの作曲で、映画の最後近くの幻想シーンには、" パリのアメリカ人 " が使われています。この場面は、印象派の画家達の絵がうまく使われているので有名です。

 デュフィの描いたコンコルド広場に始まり、ルノワールのポンヌフ、ユトリロのモンマルトル、ルソーの動物園、ゴッホのオペラ座、ロートレックのムーランルージュと、それぞれの絵の中にとけ込んだシーンは、まさに絶品です。

 ガーシュインの音楽と印象派の画家達の絵が一体となって、本当に素晴らしい場面でした。

 こんちゃんはジーン・ケリーが好きなので、彼の映画は沢山観ていますが、彼の代表作と言ってもよいでしょう。もちろん「雨に唄えば」、「踊る大紐育」、「錨を上げて」、「いつも上天気」など、素晴らしい作品は沢山あります。

 中でも、「雨に唄えば」の傘を差しながら踊るシーンや、「いつも上天気」のゴミ箱のふたを使ったタップダンスのシーンなど、忘れられないシーンです。
 けれども、この映画の幻想シーンは、美術と撮影技術のすばらしさも含めて、特筆に値するでしょう。

 その他にも、パリの子供たちと歌い踊る " I Got Rhythm " や、初めてのデートのシーンで踊る " Our Love Is Here To Stay "、アンリと一緒にリズを思い浮かべながら歌う " 's Wonderfu l " など、名曲とジーン・ケリーの振り付けが相まって、名場面になっています。

 また、アンリがフォーリー・ヴェルジェールで歌う " Stair Up To The Paradise " も、パリのナイト・クラブの豪華なショウの雰囲気が、よく出ています。

 レスリー・キャロンは口が大きく、ちょっと出っ歯気味で、お世辞にも美人とは言えませんが、可憐な娘の感じは良く出ていました。この後の「リリー」や「恋の手ほどき(Gigi)」の方が良かったような気がしますが…。

 オスカー・レヴァントは、フレッド・アステアの「バンド・ワゴン」などにもピアニストの役で出ていますので、ご覧になった方もあるのではないでしょうか。
 また、ガーシュインの伝記映画「アメリカ交響楽」には本人の役で出演し、ピアノを弾いています。
 この映画の中の幻想シーンで弾いている曲は、ガーシュインの " Concerto In F " です。

 ジーン・ケリーは、MGMミュージカルの集大成「ザッツ・エンタテインメント」にも案内役として出ていますので、ぜひ一度ご覧になってください。

 監督のビンセント・ミネリはジュディ・ガーランドと結婚して、ライザ・ミネリが生まれました。
 後に離婚してしまうのですが、ライザ・ミネリの迫力は、母親譲りなんでしょうかね。