第11回 (`00年9月25日アップロード)


ハワード・ホークス監督の西部劇の傑作です。

リオ・ブラボー(1959年製作、日本公開1959年)


監督:ハワード・ホークス
脚本:ジュールス・ファースマン、リー・ブラケット
撮影:ラッセル・ハーラン
音楽:ディミトリ・ティオムキン
出演:ジョン・ウェイン、  ディーン・マーチン
   リッキー・ネルソン、 アンジー・ディッキンソン、
   ウォルター・ブレナン、ウォード・ボンド
   ジョン・ラッセル、  クロード・エイキンス


あらすじ

Rio Bravo Poster 保安官チャンス(ジョン・ウェイン)は、酒場でのいざこざから人を殺したジョーを逮捕した。
 ジョーの兄のネイサンは、チャンスを脅迫してジョーを釈放させようとするが、チャンスは応じようとしない。
 チャンスは町の人たちに一緒に戦うことを求めるが、みんなネイサンとその仲間を恐れてそっぽを向いてしまう。
 ようやく集まったのは、アル中のデュード(ディーン・マーチン)と、いっぱしの拳銃使いのつもりのコロラド(リッキー・ネルソン)と、保安官事務所の爺さんスタンピー(ウォルター・ブレナン)の三人だった。
 女賭博師フェザーズ(アンジー・ディッキンソン)やホテルの主人カルロス(ペドロ・ゴンザレス=ゴンザレス)が影ながら応援してはくれるものの、ジョーを留置した保安官事務所に立てこもったチャンス達には、多勢に無勢で勝ち目は薄かった。
 いよいよチャンス達とネイサン一味との死闘が始まる・・・



傑作西部劇の一つ

主演の三人 ハワード・ホークスとジョン・ウェインの組み合わせとなれば、何と言っても西部劇ですね。
 リオ・ブラボー(Rio Bravo)も、数ある西部劇の中でも傑作と言っていい作品です。

 保安官とならず者の対決はお決まりのシチュエーションですが、実にうまくできています。
 人物設定も、強い保安官とならず者、あまり頼りにならない味方や保安官が惚れている女賭博師など典型的なパターンなのですが、それぞれの描写がうまく、演じる人達も、将にはまり役といった感じです。

 ジョン・ウェインは、こんちゃんが改めて言うまでもなく強いアメリカ人の代表ですね。
 1907年生まれですから、この時は52歳です。
 「駅馬車」や「黄色いリボン」、「アラモ」や「赤い河」などの西部劇から、「硫黄島の砂」(アカデミー賞ノミネート)、「コレヒドール戦記」、「紅の翼」や「史上最大の作戦」などの戦争映画に沢山出演していますが、「静かなる男」のようなちょっとホロリとさせるものでも、無骨な男を演じていい味を出しています。
 片目の保安官ルースター・コグバーンを演じた「勇気ある追跡」(1969年)で、アカデミー主演男優賞を取りました。この役を生かして、1976年に「オレゴン魂」が作られました。これが最後の主演作品です。

 ディーン・マーチンは、シナトラ一家の歌手として有名です。こんちゃん年代の方は、ウィスキーのタンブラー片手に " Everybody Love Somebody Sometime・・・" と歌い出す「ディーン・マーチン・ショウ」をご覧になった方も多いのではないでしょうか。
 初めはジェリー・ルイスとの底抜けシリーズで映画にデビューしました。「底抜け艦隊」(`51)、「底抜けびっくり仰天」、「お若いデス」、「画家とモデル」など、アクの強いジェリー・ルイスと、ちょっとのんびりしていてどこか抜けているディーン・マーチンとのコンビは、大いにうけたものです。
 「底抜けやぶれかぶれ」の主題歌 " That's Amore "(`93年のアカデミー主題歌賞にノミネート)が大ヒットし、一流歌手の仲間入りをしました。
 サミイ・デービスJr.やピーター・ローフォード(ケネディ大統領の遠縁)などと共にシナトラ一家と呼ばれるようになり、「オーシャンと11人の仲間」や「7人の愚連隊」などで共演しています。
 リオ・ブラボーの中でも「ライフルと愛馬」を歌っています。
 この映画のデュードの役は、彼にとってのはまり役で、また最高の出来だったのではないでしょうか。
 ジョーが「酒代だ」と言って痰壺に投げ入れた小銭を拾おうかと迷うシーンや、シェーンの名場面を思わせる振り返りざまに二階の男を拳銃で撃つシーンなど、見せ場もたっぷりでした。

決闘 リッキー・ネルソンは1940年生まれですから、このときは19歳です。`57年に " I'm Walking " で歌手としてデビューし、`58年の " Lonsome Town " で、大ブレークしました。その後も " Yes Sir That's My Baby " 、" You Are The Only One " 、" Fools Rush In " などの大ヒットを出しています。
 映画にも10本近く出演していて、「三つの恋の物語」(`53)と「リオ・ブラボー」が代表作でしょうか。
 「リオ・ブラボー」では、ちょっと気負った若手ガンマンのコロラドを演じていて、結構様になっていましたね。
 決闘シーンで、チャンスにライフルを投げるところは、見せ場です。
 1985年に、婚約者のヘレン・ブレアやバンドのメンバーと共に飛行機事故で亡くなりました。

 歯の抜けた口をモグモグさせてしゃべるウォルター・ブレナンは、いつも年寄りというイメージですが、1894年生まれですから、仕方ありませんね。「大自然の凱歌」(`36)や「西部の男」でアカデミー助演男優賞にノミネートされ、`41年「ヨーク軍曹」で助演男優賞を獲得しました。`74年に80歳で亡くなりました。

 ウォード・ボンドはジョン・フォード一家の俳優という感じで、保安官や軍隊の大隊長(司令官ではない)が良く似合いました。
 「オクラホマ・キッド」、「ヨーク軍曹」、「荒野の決闘」、「アパッチ砦」、「三人の名付け親」、「静かなる男」、「長い灰色の線」などに出演していますが、「リオ・ブラボー」が最後の出演作となりました。

アンジー・ディッキンソン アンジー・ディッキンソンは、`55年に「拳銃稼業」でデビューしました。「リオ・ブラボー」は12作目ですが、その年のゴールデン・グローブの有望若手女優賞を受賞しています。
 その後「オーシャンと11人の仲間」、「恋愛専科」、「賭けの報酬」、「殺しのドレス」、「カウガール・ブルース」など、沢山の作品に出演していますが、あまりパッとしなかったようです。
 「リオ・ブラボー」では、チャンスとお互いに惹かれながらも言い出せないちょっと気の強い女賭博師フェザーズを演じていますが、ピッタリの役でしたね。

 ハワード・ホークスは、「赤い河」、「エル・ドラド」、「リオ・ロボ」などの西部劇から、「特急二十世紀」、「赤ちゃん教育」、「僕は戦争花嫁」などのコメディ、「ヒット・パレード」や「紳士は金髪がお好き」などのミュージカル、「群衆の歓呼」、「ヨーク軍曹」などのシリアス・ドラマなど、何でもこなしてしまう監督です。
 ジャンルにこだわらずに演出するものですから職人だと言う人もいますが、この「リオ・ブラボー」やゲーリー・クーパー主演の「ヨーク軍曹」、ハンフリー・ボガート主演の「三つ数えろ」などは傑作ですよね。


 久しぶりの更新だったものですから、つい力が入って長くなってしまいました。
 ごめんなさい。_(._.)_